parkERs

WORKS事例紹介

失われた森を 9,000年持続する森に
都市生活者と森をつなぐ「再生」のフィールドワーク

Our Field Work in the Forest

失われた森を
9,000年持続する森に

parkERsは空間デザインの深掘りをすることを目的に、公園の7つの要素の一つである植物、そしてランドスケープについて多角的な視点から学び、都市と森における植物のあり方を探る取り組みとして、神奈川県の逗子に程近い森の再生活動に参加しており、毎月現地で植樹のための活動を行なっています。

今回は2022年5月に開催された、非営利型一般社団法人 Silva(シルワ)主催による「第22回湘南国際村めぐりの森植樹祭」の様子とともに、なぜparkERsが森の活動に取り組むのかをお伝えさせていただきました。今後の活動についてもホームページ等でご紹介いたします。

parkERsが空間デザインの傍ら、約4年前から取り組んでいる森の再生活動についてご紹介いたします。

湘南国際村には、ゴルフ場開発が中断され放置されたままになっている森があります。一度は人によって壊された森を、再び人の手で再生し、いずれは人の手を介する必要のない、持続可能な森になるよう育てていくのが植樹の目的です。

シルワさんの活動では、土の中から環境を整え活性化させることや、廃材・廃棄物の再資源化も行い、年間100トン以上の二酸化炭素排出量の削減を達成しています。わたしたちはこの取り組みに深く共感し、2018年から参加しています。

parkERsのプランツコーディネーターは全員が、地形・地脈を把握した上で土地本来の植生を理解し森の再生を担う、森林再生指導員の資格を取得しました。植樹祭では植樹のリーダーを務め、混植・密植植樹方式のやり方を実演指導。参加者総勢約500名のサポートをしました。

一般の植樹では、生長した樹木を植えるのに対して、ここで採用している混植・密植植樹方式は、関東県内で育てた幼い苗木を用いるのが特徴です。自然潜在植生種を調査選定し、原生林に近い植生を再現します。

土地本来の森林が育つまで通常200〜300年はかかると言われますが、あえて様々な樹種を1㎡に6〜8本ほど密集させて植えることで、20〜30年の早さで森を形成することができます。

苗木の保湿保温と雨による土壌流出を防ぐため、ワラで覆うことで、土壌生物の住処にもなり良い循環が生まれます。約3年後にはあたり一面腰くらいの高さまで生長し、5年後にはどこが植樹地か見分けがつかないほど育っていきます。

森は遠い存在にも思えますが、災害時には火災や水害などの被害を和らげるといった防災林の役割も果たし、実は、わたしたちの生活を守ってくれています。

parkERsの空間デザインでは、かつての土地の風景を再現して、その土地本来の自生種を植えることがあります。都市の中でも自然の豊かさに気づき、自分がいる環境に目を向けるきっかけを生みたいと考えているからです。

植樹に限らず、森の要素を意識してデザインに生かしています。例えば東京都の森の間伐材で作ったウッドチップはオフィスのフロアに。

オフィスで約3年使用したのち、再び森に還しサスティナブルな循環を。今後は森の中で、歩道の舗装として新たな役割を担っていきます。

また人の生活の中で出た廃棄されゆくものを資源に、植物がよく育つ培養土を開発。森の土を掘り起こさずに、都市生活者と森が共生できる未来を目指しています。

こうした様々な取り組みを通して、地球も人も心地よいデザインを探ることを目的に、今後も都市と森をつなぐ活動を行い、空間デザインに生かしてまいります。

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