WORKS事例紹介
8つの原風景に都心で出会う、進化した博物館
伊勢丹新宿店 Museum Cube ver3.0
Isetan Shinjuku Museum Cube ver3.0
切り取った自然素材に触れ、
人間本来の感覚を取り戻す
伊勢丹新宿店、靖国通り側の階段踊り場に位置する B1Fから7Fまでの全8フロアに渡るディスプレイスペース「Museum Cube」。
parkERsは2020年からデザインを手掛けています。ver1.0では「Connected to Nature」を根幹となるコンセプトに掲げ、 土・水・綿花・木・種など、都市で生活していると忘れてしまいがちな自然の要素を用いた様々な表現により、サステナブルな取り組みの可能性を提示しました。
当時からつづくサスティナビリティに向き合う想いを踏襲しながら、ver3.0ではプリミティブなデザインへリニューアル。長い時間をかけて苔むす様子を表現した台座をベースに、各フロアのテーマと日本の原風景を感じさせる植物をかけ合わせることで、全フロアの一体感を演出しながらそれぞれの個性が光る構成としました。
緑量のボリュームアップと、自然素材を目線の高さまで視覚的に持ち上げたことで、本来持つ素材の魅力に気づいていただけます。美しい自然の原風景に触れて、人間本来の感覚が目覚める体験を。
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Other Works
0.5F 大地(土)
都会のコンクリートの下にも土の層が広がっているように、土の存在は目に見えなくともわたしたちの暮らしを支え続けています。何万年もの間、降り積もった火山灰によってできた関東ローム層を模して大地を表現。
1.5F 雨(水)
滑り落ちる水と、静寂に包まれた水の対比を、東京・八丈島の溶岩石とシダ植物を合わせて表現。森の土に雨が染みこみ、岩に磨かれ、川を流れ、長い旅を経てわたしたちのもとへやってくる水。その一滴に込められた長いストーリーを表現しています。
2.5F 季節(彩り)
東京チェンソーズによる東京都の奥多摩の森で採れた材とともに、自然の中に咲いた花を表現しました。花は毎週生け替えるので、訪れる度にさまざまな表情を見せてくれます。
3.5F 漆(光)
自然素材を工芸に発展させた漆。塗り重ねるたびに深く光をまとい、時とともに艶を増す漆ならではの輝き方に注目し、サルスベリの白くすべすべとした幹を合わせて光の吸収と反射を感じられるフロアに。決して真似できない自然がつくりだす艶の美しさを体験いただけます。
4.5F 木肌(木漏れ日)
森に光が降りそそぎ、木々の枝の隙間から木漏れ日が落ちるシーンを再現したフロア。枝の足下にあしらわれた大きな緑の塊は、日々生長するオブジェです。土や落ち葉など、使い方によって表情が変わる繊細な素材を巧みに扱い、自然に近い見え方に近づくよう工夫しました。
5.5F 林(知恵)
人の手が加わり生まれる森。間伐を行うことで、木々が適切に生長し地面に光が届き、新たな植物が育つ空間が生まれます。人と林の関わりは、持続可能な未来を守る知恵の結晶。輪切りの丸太と細く伸びる次の世代の木を用いて表現しました。
6.5F 森(循環)
どんぐりは冬の寒さを経験し、春になってはじめて芽を出します。切り株から芽吹き、次の命がはじまる循環を表現しました。やがて育つ大樹も、始まりは小さな一粒から。
7.5F 時間(石)
地球の奥深くでつくられ、数百万年、数千万年という時間をかけて変化していく石の存在。伊勢丹新宿本店の外壁にも用いられる万成石を主役にディスプレイ。地下でゆっくり冷えて結晶化した緻密な岩、地表で急冷した多孔質な岩。多様な石の模様は、地球が刻んだ時間の記憶です。