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WORKS事例紹介

兜町に伝播する “黄色い” パブリックスペース
兜町第6平和ビル

Kabutocho Heiwa Building No.6

ビルの境界を越えた街づくり
過ごせる空間で付加価値を

日本の金融街にあるオフィスビルのバリューアップ計画。兜町第1平和ビルプロジェクトにつづきご相談をいただきました。

今回は、隣接する兜町第1平和ビル「ki-ten」の印象的なパブリックスペースが敷地の境界を越えて伝播し、兜町の街に広がっていくイメージを描き、ビル外構のデザインを行いました。

仕事の合間に一息つきたい時や、待ち合わせまでの自分時間など、一日の中の人々の自然な行為に着目して寄り添えるようなプランを目指し、ベンチとサイドテーブルをメインに計画。
アクセントカラーのイエローで通りの両サイドを華やかに演出し、つい立ち寄りたくなる路地裏に。

カフェやギャラリーなど多様な人々が集う場所であることから、植栽計画は歩みを進めるごとに色彩が増していく感覚を味わえたり、季節が進むにつれて色彩の移り変わりも楽しめるよう構成しました。金融の街からイメージした樹種でki-tenの植物ともつながりをもたせ、空間全体の一体感を。

DATA
弊社の業務内容:コンセプト提案、ランドスケープデザイン設計・施工、植栽計画・施工、植栽メンテナンス

2024年に竣工した兜町第1平和ビルのパブリックスペース「ki-ten」。印象的なイエローがアクセントのデザインが敷地を越えて兜町第6平和ビルに伝播していくイメージで計画。

 

兜町第6平和ビル(写真左手)では既存の植栽立ち上がりを解体せずに、ビルのポテンシャルを活かしたバリューアップ計画を図りました。
待ち合わせのために時間を過ごしたり、一呼吸置くために休憩したりといった、人々の自然な行為に着目して寄り添えるようなプランに。ふらっと歩く中でこの場所を見つけ、思わず近寄って観察し実際に使ってみたくなるような工夫を随所に落とし込みました。

 

植栽計画のコンセプトは「Pallet(パレット)」。
こちらのビルは、カフェやギャラリーなど多様な人々が集う場所となるため、色が混ざり新しい色が生まれるパレットのように、人との出会いや季節の移ろいを通して、訪れるたびに新しい発見や気づきに出会えるようにと願いを込めました。

 

特に茅場町駅から兜町第1平和ビルの北側へと進むにつれて、青々とした植物とイエローのコントラストに、アクセントの赤いヒューケラが加わり、色彩が増していきます。春にはサイドテーブルの傍らでラミウムの柔らかな黄色い花が咲き、秋にはベンチに腰を下ろすと鮮やかに色づくハウチワカエデを眺めることができます。

 

サイドテーブルはki-tenと共通の規格を採用することで取り外しができる仕様に。イベント利用など、様々なシチュエーションのニーズに合わせて、天板を入れ替えカスタマイズすることができます。ビルを跨いだ人々の交流や動作を提案し、兜町に新しい過ごし方と賑わいを生みます。

 

平日は近隣に勤めるワーカーが多く行き交うエリア。仕事の合間にほっと一息つきたいときや気分をリフレッシュしたいときに、気負わず立ち寄れる場所としてご利用いただけます。
週末には、周辺の店でテイクアウトしたコーヒーや食事を持ち寄り、公園のようにゆったりとした時間をお過ごしいただくことも。

 

オリジナルデザインの行燈照明は、シェード部分を3Dプリンターでデザイン設計し製作したもの。
兜町の「兜」という文字からパターンをつくりシェードの模様にすることで、細かいディテールにこだわり唯一無二のデザインを実現。末広がりの願いを込めた八角形の照明は、コトはじめの街・金融の街として知られる縁起の良い兜町のニュースタンダードとして。

 

3Dプリンター制作過程

 

隣接するki-tenと合わせて、気負わずふらりと立ち寄り時間を過ごせる空間。

春夏秋冬を通して移り変わっていく風景は、日々通りすぎる道に楽しみを生み、ビルの価値になっていきます。

 


2024年12月 冬

2025年10月 秋


 

2024年12月 冬

2025年10月 秋


 

 

兜町第1平和ビルは竣工から約1年が経ち、植物も豊かに生長してきました。

 

什器と植物が一体となることで、ふとしたときに植物や実りの豊かさを実感します。

 

今回のリニューアルに合わせて、兜町第1平和ビルの正面エントランスにも外構植栽を追加。新しく1階にオープンした「CASICA KABUTOCHO/可視化飯店」が目印です。

 

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