WORKS事例紹介
エビデンスを積み重ねる、緑のフォーカスエリア
トヨタ自動車 次世代BEV開発部門 Genki空間®
TOYOTA MOTOR CORPORATION
連続する風景と、
行動がいざなうゼロナイズ
トヨタ自動車の電気自動車(EV)事業の専門組織「次世代BEV開発部門」オフィスの一画。緊張感がともなう先進的な業務の合間に、心を和らげるような空間をつくりたい。そうした想いから始動した、新しい試みです。
自身のコンディションにおけるゼロナイズ(ネガティブインパクトを最小化していく)とマキシマイズ(ポジティブインパクトを最大化していく)の捉え方と境界線について、次世代BEV開発部門で働く方々とディスカッションを重ね、空間の構想を固めていきました。
これまでparkERsは、トヨタ自動車 未来創生センター・豊田中央研究所・パソナ日本総務部が共同で進めるバイオフィリア研究において、空間デザインの提案および施工に携わってきました。
そこで得られた実験の成果を、今回のオフィス空間に反映。癒し効果が期待される植物で空間を構成し、森の中に潜っていくような、身を隠せるような包まれ感でグラデーションをつけたレイアウトとしました。
また自然界に見られるフラクタル構造には気持ちが安らぐ効果があるとされており、フラクタルが持つ連続性を「行動」に落とし込み、枝分かれした小道の左右を選択しながら歩くという単純な行動を繰り返すことで、無意識に心身がゼロナイズされる空間としました。
特徴として、入り口付近では開放感や清々しい気持ちよさ、奥では落ち着いた安心感を感じられる構成に。樹種の特徴を引き立たせるグルーピングの構成手法により、植物が生み出す現象にメリハリが生まれ、小道や選んだ席によって風景の変化が感じられます。
- DATA
- 弊社の業務内容:コンセプト提案、内装デザイン設計、造作什器デザイン設計・施工、植栽計画・施工、植栽メンテナンス
枝分かれした小道を回遊しながら、利用時の心身のコンディションや気分によって、居心地の良い席を選ぶことができる。
柔らかな陽が差し込む森にいるような包まれ感の高い席、ハーブの香りに癒される席、他人の存在を柔らかく感じる席。連続する行動の中に、さまざまな過ごし方を発見することができる。
植生遷移とともに変化していく風景、そして人との関わり方。そうした自然界に見られる変化もプランツコーディネートによって表現。
植物は形状、色彩、質感や生産者特有の仕立てを加味し、樹種の特徴を引き立たせるグルーピングの構成手法で植えこみました。これにより、植物が生み出す現象にメリハリが生まれ、小道や選んだ席によって風景の変化が感じられます。
日本の生産者が一点一点ていねいに仕立てたこだわりの樹形を使うことで、空間を包み込む心地よいシルエットを実現しています。
(愛知県産、鹿児島県産、千葉県産の植物を使用)
入り口にある湧き水の水盤。心地よい水音に誘われて、止まり木で休息するようにひとときを過ごす。
ケナフを活用したサスティナブルボードで製作した天板。
ケナフはCO2吸収能力に優れた植物で、トヨタ車との関係も深い。落ちる葉影が柔らかく美しいテーブルとなりました。