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STAFFスタッフ紹介

ランドスケープデザイナー Landscape Designer 大熊クミ Kumi Okuma

大学卒業後、IT企業のSEとしてキャリアを積んだ後、お客さまの喜ぶ姿を直に感じられる働き方を求め、庭づくりの世界へ。
主に外構部分の企画設計を担当する(一級造園施工管理技士)。
提案し創るだけでなく、その先で植物が成長し空間ができあがっていく過程を経て、人とひとのコミュニケーションの場が生まれることを目指しています。

大学で数学を学び、IT業界を経て庭づくりの世界へ

大学時代に専攻していた数学を生かして新卒で就職したのはIT系企業。そこでSEとして約7年間勤務し、金融系のシステム開発に携わっていました。当時勢いのあったIT業界で、最先端の仕事に関わるのは刺激的で学ぶことの多い経験でしたが、最新の技術や知識を追い続けることにだんだん疲れてきたのと、システムが完成しても「お客さまの喜ぶ顔が直接見えない」という点に、仕事へのジレンマを抱えるようにもなりました。
 
ちょうどその頃結婚し、庭のある家に住み始めたこともあり、休日には息抜きで庭をいじるように。庭をいじっている間は無心になれるのが心地よくて、「これを仕事にできたら面白いかも」と考えるようになりました。そこから一念発起して、1年間、ガーデンデザインスクールに通ってガーデンデザインを学び、思い切って庭づくりの世界に飛び込んでみることにしたんです。その後、いくつかの園芸・造園会社などを経験し、子育てをしながら、CADオペレーターの知識も身につけました。
 
子どもたちも成長して、プライベートが少し落ち着いてきたときに、ふと「今後、自分は何をしたいんだろう?」と考えるタイミングがありました。「お母さんの仕事って何?」という子どもたちの問いに自信を持って答えられていない、と。どうせなら、庭づくりの世界でこれまで積んできた経験を生かしつつ、もっとワクワク、楽しみながら働ける場所に身を置きたいと思うようになりました。

そんなときに出会ったのがparkERsでした。面接でオフィスを訪れたときに印象的だったのが、みんなとにかく楽しそうに働いていること。自分たちのオフィスで、いろいろな実験をしているチャレンジングな姿勢にも共感を覚えました。光や音、香りなどさまざまな要素をまず自分たちのオフィスに取り入れてみたり、外でしか育たないと言われているモミジを室内で育ててみたり。

自分自身、思い立ったらまずは行動してみないと気が済まない性格なので、そういう意味でもparkERsの社風にはしっくりくるものを感じ、入社を決めました。

数学的な思考と田舎で育った体験を生かして

parkERsでの私の肩書きは「ランドスケープデザイナー」。建築・土木工事図面を要するような「外構設計」が主な業務になります。

これまで「室内緑化」を中心に手がけてきたparkERsですが、マンションの外構や、商業施設の中庭、街中の庭園など、屋外空間のデザイン需要も増えており、こうした新たな領域にチームとして取り組んでいます。「日常に公園のここちよさを。」というparkERsが掲げるコンセプトを屋外にまで広げ、内と外の境界をなくすような、そんな空間を作り上げることが私の理想です。

庭のデザインを行うときに、感性はもちろん大事なのですが、デザインを図面に起こしたり、積算をしたり、緻密な計算が必要になってくる場面がどうしても出てきます。そんなときに、大学で身につけた数学的思考がすごく役に立っているのを感じます。

また、私が生まれ育った山形県酒田市は、山も川も海もすべてそろっていて、子どもの頃から自然はごく身近なものとしてありました。外に出れば、木があり、ミミズがいて、風や草木の匂いがある。広い田んぼの向こうに「出羽富士」とも呼ばれる鳥海山が見える、その景色は常に心の中にあり続ける原風景です。そんな田舎の「いつもの風景」を知っているからこそ、本来の自然の姿をデザインの中でも表現できるのだと思っています。

そこに住む人たちにこそ、その土地のよさを感じてもらいたい

私がデザインを行う上で特に大切にしてきたのは、お客さまと話す時間。たとえば個人のお客さまの場合には、家族構成や職業、趣味などを伺い、単にデザインを提供するのではなく、「ライフスタイルそのもの」を提供することを意識してきました。
 
庭に大きな山椒の木があるお宅を担当させていただいたことがあり、作業後によくその木の下で一緒にお茶をしていました。施工後にご自宅を訪問する際には、その山椒の実とちりめんじゃこで作った佃煮をご用意してくださったりして、お客さまとそういうお付き合いができるのは、とてもしあわせなことですよね。

だからこそ、デザインをして終わり、ではなく、お客さまがその場所で何年過ごしても心地よさを感じるような、愛着の持てる空間をつくりたいと思っています。ランドスケープデザインにおいてもそれは同じで、その土地の起伏や気象条件といった環境を考慮しながら、特産物なども織り交ぜたプランニングを行っていきたいと考えています。難しいことではありますが、それができれば、地方の再生事業などにもきっと役立てていけるはずです。

外から来た人たちが訪れた土地を「いいな」と思うのは、ある意味、当たり前のこと。それも大事なのですが、私はその土地に住んでいる人たちが、自分たちの住んでいる場所をより好きになってもらえる、そんな空間をつくっていきたいと考えています。

その土地がもともと持っている個性や良さに、parkERsらしい新たな提案を合わせることで、さらなる魅力を引き出すことができたらうれしいですね。

ノリウツギ

ノリウツギの好きなところはその力強さと爽やかさ。アジサイの仲間ですが、茎が木質化していて丈夫です。洋物アジサイのアナベルも好きですが、アナベルのように雨が降ると花の重さで茎が傾いてしまうということもありません。梅雨の時期から9月頃まで清々しい花を見せてくれ、花のない時期は低木として、樹木の足元に配置すると良いアクセントになってくれます。

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