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WORKS事例紹介

オフィスワーカーに寄り添う「花のれんの坂」
オフィスビルリニューアル|いちご聖坂ビル

Ichigo Hijirizaka Building

花を連ねるオフィスの入り口
日常に少しの遊び心を

東京都港区三田にある『江戸名所図会』にも描かれた名所の一つ、聖坂。その一角に佇む1981年に竣工したオフィスビルの改修計画です。
外構からエントランス、エレベーターホールまで、1F部分の全面的なリニューアルを行いました。

ビルの足元には、オフィスフロアのエントランス、レストラン、駐車場、裏口、隣地に新しくできる公園の5つの機能があります。その間に1つずつ、合わせて4つの花壇が並ぶ構成としました。坂の下から見上げると植物が連なり、境目のない一体的な風景を作ります。

オフィスへのエントランスは小さくとも奥行き歩くと心が落ち着く魅力的な路地のように、まるで屋内まで花壇が続くようなシームレスなインテリアとして計画しました。

独自開発した花形のランプ、さざ波のように歪んだ鏡、コスモスのような掲示板がビルのオリジナリティを創出。アースカラーを中心に、落ち着きがありつつも特徴的なカラーリングを選定しました。アクセントに入るワインレッドや真鍮のきらめきが草花と共に日常を彩ります。

いちご聖坂ビル|プロジェクト概要

施設名 いちご聖坂ビル
所在地 東京都港区三田3丁目4-2
施設規模 地上7階/延床面積 2475.130m²/高さ 22.00m+5.33m
竣工 1981年4月
事業者 いちご投資顧問株式会社
対象エリア ポーチ、エントランス、外構
施工内容 コンセプト立案、設計デザイン、植栽デザイン、施工監理、植栽メンテナンス
プロデューサー parkERs 近藤 里紗
空間デザイナー parkERs 古川 隼也
プランツコーディネーター parkERs 森 大祐、高木 琴音
施工監理 parkERs 田村 真悟

都市空間の一部とした外構デザイン

既存の植栽帯に連なる、建築のグリッドに合わせて配置した3つの花壇。これによりそれぞれの間に坂と直角に交わる軸性を持った居心地が育まれます。レイヤー状に配置されたプランターは公園や街とビルを繋ぎ、ビルは聖坂沿いに豊かな活気を生む都市空間の一部として生まれ変わります。

既存の形をなぞったプランターからは植栽が飛び出し、レストランとの間にあるプランターはオフィスの活気とテナントの賑やかさを分け隔てつつも空気を繋ぎ、エントランスの奥へと続く期待感も演出します。

 

坂道と連動する植栽計画

坂道を上るにつれて視界に入る植物の風景は次々と変化し、道行く人を視覚的に楽しませます。植物の“のれん”をくぐり、彩り豊かに続く小さな景色に出会っていくストーリーを描きました。シンボルツリーのコブシやヒメシャラ、初夏から風に揺れる軽やかな花を咲かせるバーベナ、ガウラ、今回のキープランツである「いちご」色のヒューケラ、チョコレートコスモスなど、春夏秋冬で色とりどりの草花が出迎えます。

空間を立体的にするポイント

花壇に水が湧き出る水盤を設けることで、心地よい水音が響き渡り空間を立体的に演出します。耳から入る心地よい音の刺激は、自律神経を整えリラックス効果をもたらします。

外構とシームレスなインテリア計画

既存の植栽花壇と高さを細かく合わせた同素材の新たな花壇をエントランス内にも。外から室内へと引き込むことで、空間を圧迫しないミニマムなプランターへと変化します。 また木立ちのような壁面がストライプ状に連続することで、境界を感じさせない伸びやかな美しいデザインを生んでいます。

 

軒下と室内のプランターは、“花のれん”をコンセプトとした動きのある樹形や彩り豊かな賑わいを楽しめるようコーディネートしました。

シンボルツリーのしなやかな曲がりのシェフレラをはじめ、のれんの草木染めに使われるヒューケラ、揺れて風を感じられるカンスゲ、ベニシダ、柔らかくプランターの輪郭をぼかすプミラ、タマシダ、艶があり目印になる葉形のツワブキ、アンスリウムなど多種多様。

 

ゆったりと弧を描く白い壁は、遠くの自然光をわずかに拾い、屋内の明かりにもなる設計。
外構から続く直線的な花壇と壁板を中和するように、おおらかな輪郭が合流し、空間に余白と変化を与えます。

 

プランターや床に葉影が落ち、エレベーターホールでの待ち時間に気づきを与えてくれます。

配色とマテリアルへのこだわり

植栽背景の壁と天井には穏やかな緑色を配しました。この色は空間のベースでありながら、建築のアクセントです。

植物は幾つもの緑色を持っていて、それは変化し続けています。
この背景の緑色は、そんな変化を繰り返す植物の「とある緑色」と調和し、時に強調し合うことで空間を豊かに彩ります。抽象化された配色が実際の植物と合わさることで、風景の中にささやかな変化と気づきを与えます。

テナントサインパネルと投函無用サインも造作で制作。ブラケットランプが優しく照らします。

 

掲示板にはアクセントカラーに、秋になれば外に咲くチョコレートコスモスのような赤い色を施しました。裏には鉄板が仕込まれており、花型のマグネットで伝言を残します。また鏡面仕上げのふかし壁を設け、軒先のシェフレラが映り込む仕掛けとしました。

 

水面のような曖昧な反射が空間に奥行きを与えます。

いちご聖坂ビルならではのプロダクト開発

花形ブラケットライト

花のように連続的に連なりながら明かりを灯すブラケットライト。 ヒメシャラの花をイメージしたアイコン性を持つ真鍮のシェードは、その煌めきに留まらず豊かな影と光によって多様な空間の広がりをもたらします。

植栽サイン

抽象化した9つの草花のアイコンをほどこした植栽サイン。ポールからプレートが垂れ下がるのれんを模した仕様とし、ここでも花のれんのコンセプトを一体化させた計画に。花形の窓は、四季で変化していくその瞬間の彩りを切り取ります。のちに咲く花のシルエットを想像して、蕾の間も楽しんでいただける仕掛けとしても機能します。

夜間の演出

日没後は植栽帯に仕込んだスタンドライトの暖かな電球色が灯り、夜ならではの演出性を高めます。

 

オフィスビルのリノベーション、エントランス・共用部などのグリーンデザインについて、お気軽にご相談ください。

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